種目別
音楽と踊りの種類
2002.12.25

何かを表現することは、踊りの種類を選択するときから既に始まっています。踊りには歴史があり、音楽や衣装ひいてはストーリーの種類をも決めるからです。(競技としてのダンスは、大きくスタンダート種目とラテン・アメリカン種目に別れていて、それぞれ5種目づつありますが、それ以外にもたくさんの種類があります。)

基本的なリズムは踊りの種類を決めたときに既に決まっていますが、全体の雰囲気は選ばれた曲のメロディやハーモニーによって決まります。演奏のテンポ・キレ・情感によっても大きな差が生じます。

既に知っている曲の場合、特に一組だけで踊るデモンストレーションの場合には、ストーリーが表現できることが大切です。 曲の形式はストーリーに多大な影響を与えます。 歌詞がついている場合はもちろんそれも無視できません。

Rumba
2002.12.25

ラテン・アメリカン種目の一つです。なぜかそのルーツであるキューバで今日踊られているルンバとは異なります。キューバの「ソン」にスペインとアフリカのリズムが融合し、さらに西洋人の嗜好の影響を受けて社交ダンスの「ルンバ」となったといわれています。

ゆっくりとした4拍子のリズムを持ち、4拍目に独特のアクセントがあります。通常2拍目から新しい動きに入ります。4拍目と次の1拍目の間にはステップがなく体重移動のみなので周囲に踊りを見せるチャンスです。特に、ときどき強いリズムが入る1拍目のちょうどその瞬間にキレのある動きがシンクロすると見ても踊っても気持ちいいです。深い(複雑な/駆け引きのある/ときには暗いこともある)男女の情愛の表現に適しています。

Slow Waltz
2003.6.22

スタンダード種目の一つです。1拍目にアクセントのあるゆっくりとした(30bpm)3/4拍子のリズムで、回転を伴う振り子運動が特徴です。最も起源の古いダンスともいわれますが、現在の形になったのは第一次大戦以降のことです。優雅でときに哀愁のあるロマンチックな表現が似合います。(速いリズムのものは、Viennese Waltz という別の種目になります。)

(まだ試行錯誤の状態で書いています。レッスンを通して新たな発見がある度に追加する予定です。後から思い違いを修正することになると思います。)上下動と時間の流れに正弦曲線のような波を感じる踊りです。2人の作る力学系が、ブランコのように漕いでいるのか乗って動いているのかわからなくなる瞬間が快感です。そのためには、2人の作る振り子の支点をしっかりと保持する一方で、リラックスして波に乗る必要があると思われます。

リラックスするためには、下降する力の反作用で上昇します。(だから第3拍目の予備歩からスタートする。)逆に、リラックスしていないと、下降する力を殺してしまい、上昇に力が必要になります。また、高いところから降りる時、足首に力が入っているとつま先から先に降りることができません。

昇りつめたときの形や、降りきったときの形を、静止した状態で作ろうと試みましたができませんでした。そのとき上下動は一瞬とまって見えますが、動きの方向が変わる、すなわち加速度=力の加わる瞬間なのだと気づきました。動きが変わるためには体はどこかが緩んでいなければなりませんが、静止状態を作るろうとすると体を固めてしまうのです。

次にその場の上下運動でリズムを練習しようとしましたがこれもうまくいきませんでした。移動のあるなしで膝の使い方が違うようです。(自転車に乗れない人が、動いていないと倒れてしまうのに、止まったまま練習しようとするのに似ていると思いました。)

ワルツが難しい理由の一つは、前進・後退運動と連動大きな上下動があることだと思います。はじめから移動する振り子運動として3次元的に認識すべきでした。しかし、その支点はどこにあるのでしょうか?振り子の紐がないのに、なぜそのような動きが生み出すことができるのでしょうか?

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